Subrow’s Blog

エンジニアとしてのキャリアをベースに「ものづくり」の昔と今、そして未来予想図をこのブログを通じて創っていきます

2019-01-01から1年間の記事一覧

第4次産業革命は「伝統工芸」にどの程度インパクトがあるのだろうか

第4次産業革命という言葉が、巷に出始めたのは何時頃だろう。 政府が「日本再興戦略2016」として、IoT、ビッグデータ、AI、ロボット、の4つのキーワードを挙げた頃からだろうか。この第4次産業革命は過去に起こった産業革命に比べて、非常に幅広い分野…

ものづくりにおいて製品安全に関わるリスクとコストをどう考えるか

私は以前、製造物責任に関わる業務を経験したことがある。 最近巷ではあまり耳にしなくなったが、いわゆるPL法などに関連する案件や事項を取りまとめ、市場での製品リスクの回避、軽減を図るための部門だ。電子レンジで猫を乾かす?私も真偽のほどはよく知ら…

高度成長期に創業したものづくり企業の二代目経営者が陥りがちな呪縛とは

京都の伝統工芸と云えば創業数百年は当たり前、明治創業なんて伝統工芸には数えてもらえないような、そんな世界だ。しかし京都発祥で昭和創業のものづくり企業が、ITや自動車、電機など多くのカテゴリーで世界を席巻しているのも事実。売上1兆円を超える京セ…

京都の「オーバーツーリズム」に関して一考してみた

今年も11月半ばに差し掛かり、紅葉が色づき始めてきた京都。 今や、どの季節も観光客であふれかえっている京都だが、桜のシーズンと並んで最も多いのがこれからひと月ほどのこの季節だ。が、前にも少し述べたことがあるのだが、観光客が増えれば増えるほど京…

「ものづくり」における正常性バイアスとイノベーションへの障害について

先日、日本列島を襲った台風19号は、東日本を中心とした多くの河川で氾濫、決壊を引き起こし甚大な爪痕を残した。昨年、近畿地方を中心に大きな被害が出た台風18号も記憶に新しいが、人的被害の規模だけで見れば、今回の台風は死者80名超、行方不明者10名超…

ノーベル化学賞受賞、台風19号による惨禍、そしてラグビー日本代表の快進撃、を見て思うこと

先週から今週にかけて、目まぐるしくニュースが飛び交う1週間だったと感じているのは私だけではないだろう。先週末から日本列島に襲来した台風19号は多くの人命を奪い、家屋や農作物などに甚大な被害を与えた。事前の警戒が再三通知されていたにもかかわらず…

日本の「ものづくり」とそれを支える「職人」に対する評価について考えてみた

いきなりだが、松下幸之助、本田宗一郎、盛田昭夫、井深大、早川徳次、という名前は、ほとんどの皆さんがご存知だろう。云わずと知れた日本近代史における著名な起業家であり経営者だ。彼らは独創的なアイデアと技術を試行錯誤しながら製品化し、量産化して…

ラグビーW杯 日本 vs アイルランド戦から感じた「日本人」のメンタリティの変化

開幕から1週間を経過したラグビーW杯日本大会。 昨日は、世界ランキング2位のアイルランド代表を日本代表が破り、かなりの盛り上がりを見せている。 東京オリンピックを来年に控えいろいろな競技で顕著なレベルアップが見られるが、その中でオリンピック種目…

「購入する、所有する」という行為の価値観が大きく変わる時代を迎えて

10月も目前となり、巷では増税前の駆け込み需要を狙った商戦が繰り広げられている。 増税前に2%の支出増を避けて買うか、増税後のそれ以上の値下げを狙って買うか、売り手にも買い手にもいろいろと思惑があるようだが、今回は軽減税率の導入やキャッシュレ…

ものづくりのコストに対する考え方

先週、ZOZOのYahoo!による買収が発表された。 最近のビジネスシーンでは何かと露出の多い、前澤友作、孫正義、両氏ではあるが、まさかこういう絡みで並んで出てくるとは。Amazonという小売/通販界のトップランナーが独走するなか、差別化の難しいこの業界で…

私が経験してきたものづくりの世界

9月も2週目に入り、半期の決算を迎える企業も多いことだろう。 国際的な会計基準を導入し四半期毎に決算を行う企業が一般的になって久しいが、現場の、特に営業部門にとっては、実績の進捗フォローに神経を尖らせる時期である。当然ながら目標未達であればリ…

私が本格的にものづくりの世界に足を踏み入れたキッカケとは

9月に入り、今年も台風の季節だ。 京都を含む近畿地方も昨年は、平成最強とも云われた台風21号の襲来で甚大な被害を受けた。 平安京遷都とほぼ同時に建立されたとされる平野神社の本殿が風に煽られ倒壊したのをはじめ、嵐山渡月橋の欄干も横倒しになり、その…

ものづくり(伝統工芸)への思い入れと原点

台風が通過したあとも残暑厳しい京都だが、秋の訪れも間近である。 最近では地球温暖化の影響か紅葉の見ごろも11月後半頃までズレ込んできている。 「そのうちクリスマスと紅葉の見ごろが重なるのでは」といった、なまじ冗談とも思えない話が出るのも無理は…

京都の伝統工芸が抱える問題とは 

1200年を越える歴史を持つ京都において脈々と受け継がれてきた伝統工芸。 その長い歴史に培われ、職人たちのたゆまぬ努力で磨き続けられた価値と魅力は、今もって多くの人を惹き付け続ける。 外国人観光客 SNSの普及によって外国人の目に留まることも多くな…

京都にとっての終戦の日

今年も8月15日が間もなく来る。74回目の「終戦の日」である。 巷では「終戦記念日」という人もいるが、あれだけの尊い人命を失い、多くの犠牲者を出した戦争が終わった日を「記念」と称する気にはなれない。 京都の戦災 ご存知の方も多いと思うが京都は戦災…

京都地元民から見た世界文化遺産

ユネスコで世界遺産条約が採択され「顕著な普遍的価値を持つ物件」、「移動不可能な不動産」を定義に登録を開始したのが1972年。そして1994年に京都、滋賀に点在する17箇所の寺社仏閣や城郭が「古都京都の文化財」として指定された。 今や、それらが観光資源…

【京都の夏は暑い!!】「京町家」に施された知恵と工夫

「山鉾巡行も済んだし、そろそろ梅雨明けやで~」 幼い頃に祖母からよく聞かされた言葉だ。 今年もその言葉通り、祇園祭りの前祭山鉾巡行が終わり京都の暑い夏が来た。 今更説明の必要もないと思うが、京都は三方を山に囲まれた盆地であり寒暖の差が激しい。…

<哀悼>京都アニメーション放火事件

7月18日、京都市伏見区の「京都アニメーション」のスタジオが放火され、34人もの尊い命が奪われた。亡くなられた方々には心より哀悼の意を表したい。 犯人自身、大やけどを負い重篤な状態らしく明確な犯行理由は分からないが、どんな理由があるにせよ許され…

祇園祭は京都と世界の伝統工芸品展覧会

祇園祭はそろそろクライマックス。 17日の前祭山鉾巡行を控え、既に組み上がった山鉾の周囲では祇園囃子が流れ、浴衣姿の老若男女が行き交う、そんな風情が何とも心地よい。 そして、それぞれの山や鉾に吊り下げられた前掛、胴掛、後掛、水引、見送などの懸…

7月の京都といえば祇園祭

7月1日、また今年も京都では祇園祭が始まる。 夏の京都の最大イベントで、ただでさえ溢れている観光客が更に膨れ上がること間違いなし。京都三大祭り(あとは葵祭と時代祭)の中では知名度やインパクトは恐らく一番であろうか。 しかし、祇園祭が7月1日から3…