Subrow’s Blog

エンジニアとしてのキャリアをベースに「ものづくり」の昔と今、そして未来予想図をこのブログを通じて創っていきます

2020-01-01から1年間の記事一覧

「会社の方針」によって実力が発揮できないエンジニアや職工が、今後に向けて絶対に意識するべきこと

本ブログでも何度も書いてきたが、過去30年において日本の製造業は「コスト低減」、「効率向上」を大命題としてきたことで、エンジニアや職工が本来持っているクリエイティブな思考を活かせずにきた。そして彼らのモチベーションや生産性の低下が要因となっ…

Mitsubishi SpaceJet(三菱スペースジェット)の「開発中止」は、日本のものづくり衰退を象徴する出来事

YS-11以来、久々の国産旅客機として大きな期待と投資を集めたMitsubishi SpaceJet(三菱スペースジェット)の「開発中止」が正式に発表された。計画立案から20年弱、約1兆円もの巨額の事業費用を注ぎ込んできた巨大プロジェクトだったが、新型コロナウィルス…

「縦割り、前例踏襲、既得権益」が「ものづくり」の世界に与えた功罪と、それを打ち破るたった一つの方法

菅内閣が発足して早くも1か月が経過した。 その間に矢継ぎ早に出てきたキーワードがいくつかあったが、今回はその中で「縦割り、前例踏襲、既得権益の打破」に注目してみた。今回、総理自らが敢えて、この「縦割り、前例踏襲、既得権益」というこの3つの言…

改めてコロナ禍によって見えてきた日本の「ものづくり」が向かうべき方向性 3

このコロナ禍によって入手出来なくなって困ったものといえば、ほとんどの人はマスクと答えるだろう。一時期はどこを探しても見当たらない状態が続いていたが、ようやく落ち着きを取り戻し、供給も安定しているようだ。品薄に耐えかねてお手製のマスクを作っ…

改めてコロナ禍によって見えてきた日本の「ものづくり」が向かうべき方向性 2

もともと日本は、世界でも有数の「仕事が好きではない人」の割合が高い国である。またその一方で転職率は世界でも有数の低さという、世界的に見ると何とも不思議な国でもある。ということは、多くの人が好きでもない仕事をやりながらも転職せず、ひたすら我…

改めてコロナ禍によって見えてきた日本の「ものづくり」が向かうべき方向性 1

日本では1月に始まった、このコロナ禍。 未知のウィルスへの対応に、政府も国民も右往左往している感は否めない。 当面は、このウィルスに世界中が一喜一憂する日々が続くことを覚悟するしかないのであろう。そんな中、日本の製造業にとっては、この僅か半年…

日本に根付いた「滅私奉公」の精神が「ものづくり」に与えた影響について考察してみた

日本には古くから「滅私奉公」という精神がある。 意味は読んで字のごとく「私を滅し、公に奉ずること」だ。一般的には、明治時代に入って「軍人勅諭」(明治15年発布)や「教育勅語」(明治23年発布)により、この精神が普及したとされる。もちろんその…

今まで世界を席巻してきた日本の「ものづくり」が衰退した理由からポスト新型コロナ禍にやるべきことを考えてみた

新型コロナウィルスが世界中に猛威を振るっていて、まったく収束の糸口すら見えない。 もはや、治療薬やワクチンの開発か、免疫を獲得した人が大多数を占めるに至るかしか、望みはないのかもしれない。となるとまだまだ時間は掛かるし、それまでの間はウィル…

100年以上経ってもほとんど進化していないのに、今も非常に重要な自動車の装備品とは

20世紀初頭、フォード・モデルTの開発、発売に端を発して市場に出始めた自動車。 2度の世界大戦を経て、兵器製造業から鞍替えしたメーカーの参入によって一般への普及が一気に加速し、庶民の手に届くものになった。その後は、その時々の最先端技術を取り入…

新型コロナウィルスで負ったダメージを、大きなチャンスに変えていくには

1月後半に始まった新型コロナウィルス禍による世界的なパニック。 その後1か月半を経過して、世界経済へのダメージが顕在化してきた。 依然として先が見通せない中、世界中の株式や為替の相場が大きく混乱しリスク回避に走っている。国内では、店舗の陳列棚…

「ものづくり」の仕事が劇的に変わる過程で「職人」が減った理由とは

私が「ものづくり」を職業として携わり始めた頃は、丁度いろいろなツールやシステムがアナログからデジタルに切り替わる過渡期のど真ん中だった。ドラフターや三角定規で描いていた図面がCADで描けるようになり、教本や公式集を片手に関数電卓を使ってチマチ…

いろんな束縛やしがらみから解き放たれたいエンジニアや職人の皆さんへのメッセージ

今回は、私の「ものづくり」に関するルーツについて書いてみる。 今までエラそうなことをいろいろ書いてきて、そろそろここに触れないと「こいつ何者?」と思われかねないので少々お付き合い願いたい。私はこのようなブログを書いているが、実は今でも企業人…

一極集中化した中国の生産拠点と、それに依存してきた製造業に今後起こる変化とは

まだまだ新型コロナウィルスの感染拡大は止まりそうな気配がない。中国で完成品を生産しているメーカーはもちろんだが、三次請け、四次請けの現地企業から部品や素材を調達し、国内で完成品を作っている製造業も、稼働停止に陥りかねない状況になってきてい…

中国の感染症禍は昭和/平成型「ものづくり」の終焉を加速させ、次のステージに向かわせる

中国の武漢市から広まったとされる新型コロナウィルス。 日々、感染者は増え続けていて、いまだに収束の気配は見えない。 中国国内では数万人単位での感染者が出ているのは周知の通りで、このまま長引くようだと世界経済や産業にも影響が出てくると考えるの…

話題のシューズを見て、改めて思う「ものづくり」に携わる人が向かうべき将来

前回のブログでは「ものづくり」の原点となっている二つの欲求について述べた。 一つ目は、買う側、使う側が求める「便利な暮らしにしたいという欲求」、二つ目は、作る側が求める「良いものを作りたい欲求」だ。今回は「良いものを作りたい欲求」について、…

「ものづくり」の原点となっている二つの欲求とは

今の時代においては「ものづくり」との云う言葉の定義はものすごく広くて複雑だ。 故に非常に曖昧な言葉であるとも言える。私の考える「ものづくり」の原点は生きるための道具作りだ。 それは旧石器時代から、その時代や環境に合わせて受け継がれてきたアイ…

2020年を迎えて、あらためて今後の「ものづくり」について考えたい

平成から令和に元号が変わり8か月、2020年が明けた。 その間、新天皇御即位の慶祝ムードに包まれ、さらには東京オリンピック開催のお祭り気分をマスコミが煽る中、消費税率が8%から10%に上がって国内の消費動向が明らかに冷え込んできている。顕著なところで…